入院されている方や療養中の方に、お見舞いの気持ちを届けたい——。
そんなとき、心を込めた言葉や品物とともに、きちんとしたマナーで渡す「お見舞い封筒」も大切な役割を果たします。
この記事では、封筒の折り方からお札の入れ方、のり付けや「〆」の書き方まで、はじめての方にもわかりやすく、お見舞い封筒のマナーを丁寧に解説していきます。
まず知っておきたい!お見舞い封筒の基本マナーと気遣いの意味
お見舞い金を渡す際の封筒には、慶事や弔事とは異なる独自のマナーがいくつもあります。
その意味や背景を知っておくことで、単なる形式ではなく、相手を思いやる“心遣い”が伝わる丁寧なお見舞いができます。
まずは基本のルールをしっかり確認しておきましょう。
「お見舞い封筒って正しく閉じないと失礼?」と思ったら読んでほしいこと
お見舞いの封筒に関するマナーは、単なる形式ではありません。
折り方や封の仕方、お札の向きなど一つひとつの所作には、相手への思いやりが込められています。
「ちょっとしたことだから」と軽く見てしまうと、せっかくの気遣いが伝わらないことも。
逆に言えば、封筒の扱いひとつで“あなたの心”がきちんと届く可能性もあるのです。
「下から上」に折るのはなぜ?回復を願う気持ちを込めて
お見舞い封筒のふたの折り方は「下から上」が正解です。
これは、“病状が良くなっていくように”という回復への祈りを表しています。
一方で、弔事の際の香典袋などでは「上から下」に折るのが基本。
折り方を間違えてしまうと、逆の意味に取られてしまうこともあるため、注意が必要です。
慶事・弔事と違う?封筒マナーの位置づけ
| シーン | 折り方 | 意味 |
|---|---|---|
| 結婚・出産などの慶事 | 上から下 | 幸せが下へ降りてくるように |
| 弔事(葬儀など) | 上から下 | 涙が下へ流れるように |
| お見舞い | 下から上 | 病が良くなり、上向きに回復するように |
このように、折り方には場面ごとの意味があり、お見舞いならではの折り方にも気持ちが込められています。
病院・施設に持参する時のマナーも要チェック
封筒の準備が整っていても、持参する場面での配慮も重要です。
- 面会時間や体調に配慮する
- 手指を清潔にしてから訪問する
- 派手すぎる包装は避ける
- 長居をせず、簡潔に言葉をかける
封筒のマナーとあわせて、訪問の場でも心遣いを忘れないことが、何よりのお見舞いになります。
「のり付け」は必要?手渡し・郵送で判断が変わる!
お見舞い封筒を閉じるときに「のり付けはするべき?しない方がいい?」と迷う方も多いはず。
実は、封の仕方は「手渡し」か「郵送」かによって判断が変わります。
封筒を開けるタイミングや相手との距離感に合わせた対応が大切です。
手渡し|基本は不要。でも軽く留めると安心
直接手渡しする場合は、封を開けてもらうことが前提となるため、のり付けは基本的に不要です。
ただし、封がパカっと開いてしまうと見た目にもだらしなく見えることもあるため、軽く折り込んだり、シールでそっと留めたりすると安心です。
シールを使う場合は、派手なデザインよりも白や金銀など、控えめなデザインを選ぶと品があり、好印象です。
郵送|開封防止のために必ず封をするべき
郵送する場合は、のり付けは必須です。
封が開いて中身がこぼれたり、不審に思われたりするのを防ぐために、しっかりと封をしましょう。
また、封を閉じた上から封緘シールを貼ると、未開封の証明にもなります。
クリップやシールで代用しても大丈夫?意外と見落としがちな注意点
クリップやホチキスで封をするのはNGです。
これらは日常的な書類や事務的な文書に使われるものであり、お見舞いという気持ちのこもった場面にはふさわしくありません。
また、受け取る側が高齢の方や目上の方だった場合、無作法な印象を与えてしまう可能性もあるため、控えた方が無難です。
一方、封を留めるためにシールを使うのは問題ありません。
明るすぎる色やキャラクター柄もできれば控え、無地で控えめな色味のもの、もしくは「御見舞」と書かれたシンプルな和紙風のシールなどが好まれます。
「〆」は書くべき?場面と相手でマナーが変わる理由
封筒の裏面に書かれる「〆(しめ)」という一文字。実は、この「〆」の有無も、お見舞い封筒のマナーのひとつです。
書く・書かないの判断は、渡すシチュエーションや相手との関係性によって変わるため、適切な判断が求められます。
手渡しでは〆なしが一般的。目上の方には例外も
封筒の裏に書く「〆(しめ)」の文字には、「この封筒は誰の手も触れていません、未開封です」という意味があります。
ですが、手渡しの場合には、その場で直接お渡しすることで“封が未開封であること”が視覚的に伝わるため、基本的には「〆」を書く必要はありません。
また、手渡しで「〆」を書いてしまうと、やや仰々しい印象になってしまうこともあります。
特に親しい間柄やカジュアルな雰囲気のお見舞いでは、不要とされるのが一般的です。
とはいえ、相手が目上の方など、特に丁寧さが求められるケースでは、例外的に「〆」を記してもよいとされています。
封筒を受け取る相手の性格や関係性、シチュエーションに合わせて臨機応変に判断することが大切です。
郵送では〆が必須。未開封を証明するため
一方で、郵送でお見舞い封筒を送る場合は、「〆」の記載が必須と考えられています。
封筒の裏側、ちょうど封じ目の中央部分に「〆」と書くことで、誰の手にも触れられていない、つまり中身が改ざんされていないという証明になります。
これは、受け取る側の安心感にもつながり、封筒全体に“丁寧に扱われている”印象を与える効果もあります。
たとえ中袋があり、外袋をしっかりのり付けしていたとしても、「〆」の文字があることで、より形式的に整った印象になります。
目上の方や公的な場面、会社宛てなどに郵送する際には特に意識したいポイントです。
「〆」の正しい書き方|ボールペン?毛筆?スタンプ?
「〆」は、黒いボールペンや筆ペン、サインペンなどを使い、封じ目のちょうど中央あたりに小さめに記すのがマナーです。
近年では、「〆」のスタンプも文房具店などで販売されていますので、必要に応じて使うのもいいでしょう。
中袋は使う?使わない?ケース別マナーと書き方ガイド
お見舞い封筒には中袋が付いているタイプと、そうでないタイプがあります。
それぞれのケースで金額や氏名をどこにどう書けば良いのか?複数人で渡すときはどうする?といったポイントを整理しておきましょう。
中袋あり|金額・名前・住所の記入位置と注意点
市販のお見舞い用封筒には、中袋がついているタイプが主流です。
中袋はお金を見えないように包む目的と、記入事項を整理するための役割を担っています。
相手に配慮した丁寧な印象を与えるためにも、正しい記載と扱い方が求められます。
表面:中央に「金〇〇円」などと、金額を漢数字で記入します。漢数字は「一二三」よりも「壱弐参」などの大字を使うと、より格式高く見え、改ざんのリスクも避けられます。たとえば「金壱萬円也」といった表現が一般的です。
裏面:左側に住所、右側に氏名を記入します。氏名はフルネームで、誤字脱字のないように丁寧に書きましょう。
記入の際に使うペンは、基本的には黒。筆ペンやサインペンでも構いませんが、滲みにくく読みやすいものを選びます。
ボールペンでも大丈夫ですが、あまりにカジュアルすぎる印象のインクや装飾付きのペンは避けるとよいでしょう。
縦書きが一般的とされていますが、最近では横書きに対応した封筒も多く販売されています。
その場合は、封筒の罫線や印刷されたガイドラインに沿って記入すればよく、無理に縦書きにする必要はありません。
中袋なし|封筒に直接書くときの最低限マナー
中袋がない場合は、外袋の裏面に直接、金額・氏名・住所を記入することになります。
金額については、「金壱萬円」「金参阡円」などのように、改ざんを防ぐ意味でも漢数字(大字)を用いるのがマナーです。
とくに「一」や「二」などは簡単に書き換えられてしまう可能性があるため、「壱」「弐」「参」などを使うことで信頼性が増し、相手にも“しっかりとした気遣い”が伝わります。
また、「也(なり)」を語尾につけて「金壱萬円也」と書くと、金額の終わりを明確に示すことができ、格式も高まります。
住所や氏名の記入も、できるだけ略さず丁寧に記載しましょう。
たとえば「東京都千代田区」や「○○マンション101号室」まで省略せずに書くことで、誠意のある印象になります。
複数人連名で渡す場合の名前の書き方と配慮ポイント
3名以内であれば連名で封筒に書いてOKです。
その際、記載する順番には注意が必要で、原則として目上の方や役職が上の方を先に記載し、続けて他の方の名前を並べるようにします。
また、名字と名前の間にスペースを入れず縦書きで丁寧に揃えると、より整った印象になります。
一方、4名以上でお見舞い金を包む場合は、封筒に全員の名前を並べて書くと窮屈な印象になってしまうため、代表者の名前だけを記入し、「外一同」や「他〇名」などの言葉を添えるのが一般的です。
その場合、別紙を1枚用意し、全員の氏名とそれぞれの住所をきちんと記載して同封します。この別紙には、箇条書きや表形式で見やすく並べると丁寧です。
また、表書きには「御見舞 外一同」などと記載して、複数名からの贈り物であることがひと目で伝わるようにしておくとスマートです。
お札の入れ方・向き・新札の扱い方|知らないと失礼になることも
お見舞い金に入れるお札にも、実は細やかなマナーがあります。
お札の向きや新札の使用に注意するだけで、受け取った相手の印象が大きく変わることも。
細部に心配りをすることで、あなたの気遣いがより丁寧に伝わります。
お札の向きは「肖像が上・表向き」が基本
封筒を開けたときに、肖像(人物の顔が描かれた面)が上を向き、表向きになるように入れるのがマナーとされています。
また、封筒の表面とお札の表面が一致するように揃えることで、開封時の見栄えが良くなります。
また、お札の角が折れていたり、くしゃっとなっているものは避け、なるべく状態のよいお札を選ぶようにしましょう。
新札はNG?適度に折り目をつけるのがマナー
お見舞いの場面で新札を使うことについては、少し繊細な判断が求められます。
新札は一見きれいで好印象を与えそうに思えますが、「あらかじめ用意していた」というニュアンスが強くなり、「病気やケガになることを予期して準備していたのでは?」という印象を与えてしまう可能性があります。
特に年配の方や伝統的な価値観を大切にされる方にとっては、この点が気になることもあるため、一般的には新札の使用は避けた方が良いとされています。
新札しか手元にない場合は、少し折り目をつけて「使いかけ感」を出すのがマナーです。
折り方としては、お札の中央を軽く折る程度で十分で、折り目をくっきりつけすぎる必要はありません。
折ることで「今たまたま手元にあったお札です」という自然な印象にするのがポイントです。
やってしまいがち!お見舞い封筒のNGマナー5選
形式やルールはわかっているつもりでも、意外と見落としがちな“やってしまいがち”なミスもあります。
封筒の折り方や記載内容の抜け漏れなど、うっかり失礼にならないように、代表的なNG例を確認しておきましょう。
間違えやすい封の折り方・向き・お札の扱い
・「上から下」に折ってしまう(弔事と同じ折り方になってしまうためNG)
・お札の人物の顔が逆向きで入っている(細かい部分でも相手に雑な印象を与えてしまいます)
・お札を無造作に折りたたむ(折り目が不自然で見た目が悪くなり、丁寧さに欠けます)
・お札の上下左右がバラバラ(何枚か入れる場合は、向きや順番も揃えるのが基本です)
封筒やお札は、一見すると細かい部分に見えるかもしれませんが、実はとても目に留まりやすく、受け取る人に大きな印象を与えます。
相手に「ちゃんとしている」と思ってもらうには、こうした細部の積み重ねが大切です。
のり付け・〆のタイミング・渡し方に注意
・手渡しなのに「〆」を大きく書く(本来不要な場面での「〆」は過剰と感じられることがあります)
・郵送なのにのり付けなし(中身が見えてしまったり、未開封かどうかわかりづらくなります)
・派手なシールを使う(キャラクター柄・カラフルなものはTPOに合わないため控えましょう)
・糊がはみ出したり、封がしっかり閉じられていない(扱いが雑に見えるので要注意)
シーンや相手の立場によって、どこまできっちり整えるかの“バランス”も大切です。
堅苦しくなりすぎず、それでいて誠実さが伝わる対応を心がけましょう。
マナーを破ることで“思いやり”が伝わらない例も
たとえば、「丁寧に包んだつもり」でも、封がしっかり閉まっていなかったり、名前に誤字があったり、お札が古びてヨレヨレだったりすると、せっかくの気持ちが相手に届きにくくなってしまいます。
形式を守るというよりは、“受け取る側の気持ちになって考える”ことが本当のマナーです。
見た目の整え方ひとつで、あなたの誠意や心遣いがきちんと伝わる——それこそが、お見舞い封筒に込めるべき本当の意味ではないでしょうか。
【状況別】手渡し・郵送マナーの早見表&チェックリスト
お見舞い封筒のマナーは、手渡しと郵送で細かく異なることがあります。
各シーンでの注意点を表でまとめて、事前の確認に役立つチェックリストも用意しました。
迷ったときにパッと見直せる便利なまとめです。
表でパッとわかる!手渡し・郵送の違い一覧
| 項目 | 手渡し | 郵送 |
|---|---|---|
| のり付け | 基本不要(軽く閉じる) | 必須 |
| 「〆」の記入 | 基本不要 | 必須 |
| 中袋の有無 | どちらでもOK | あった方が安心 |
| 封筒の折り方 | 下から上 | 下から上 |
| お札の向き | 肖像が上・表向き | 同左 |
封筒を準備する前に確認したい!マナー早見チェックリスト
✅封筒のデザインは落ち着いたものか?
✅折り方は「下から上」になっているか?
✅のり付け・〆の有無は適切か?
✅お札は清潔で向きが揃っているか?
✅名前・住所・金額は正しく記入されているか?
まとめ|マナーの先にある“気持ち”を大切にしたい
お見舞い封筒のマナーは細かいように感じるかもしれませんが、その一つひとつに“思いやり”の気持ちが宿っています。
最後に、大切なポイントをもう一度振り返っておきましょう。
形だけでなく「どう渡すか」が本当のマナー
封筒マナーは、表面的なルールだけではありません。
その背景には、「相手の立場を思いやる気持ち」や「快く受け取ってもらいたい心」があります。
たとえば、封筒の折り方ひとつにも回復への願いが込められています。
「ここだけ押さえれば大丈夫」なポイント再確認
- 封筒の折り方は「下から上」
- 手渡しと郵送で「のり」や「〆」の判断を変える
- お札の向き・状態に気をつける
- 中袋の書き方にも配慮
- 全体として“丁寧さ”を忘れない
マナーを守ることは、単に正しい形式をなぞることではなく、「あなたの思いやりをきちんと伝える手段」です。
心を込めたお見舞いが、相手にそっと届きますように。
